
SPA!にて雛形あきこさんのグラビアと私の小説とのコラボ
そして、
小説新潮にて短編60枚「罪隠しの川
発売しております(≧∇≦)
小説新潮、1年半ぶりの掲載となりました。
いろいろご尽力いただきました担当編集さまには御礼申し上げます。
「罪隠しの川」は去年の盛夏、泣きながら書いた作品です。
泣きながら書いたわりには、きれいでしっとりとした小説になりました。
あのときはもっとドロドロとしていたような印象が、あったのに……。
ゆらめくように輝いていた、夜に見た川の景色。
それと、若い男の子が味わっている罪悪感とに重ねました。
青年は、罪を隠すために川を越えます。
いくつも。なんども。そしてこれからも。
「水に流そう」という言葉があるように。
水というものには清めの意味も含まれています。
青年は何気なく川を越えているようでいて、川に救われていて、
そして川でごまかしていて、さらに川に慰められていたのです。
俗にいう「まとも」な生き方ができない男の子。
世間的には「そんな子に情をかけてどうするの」というような男の子達に、ずっとずっと、私は関わってきました。それは彼らと過ごしているとき、もっとも大切なものが見えた気がしたから……。
私はなぜかよく川とか水のことを作品に書きたがります。
それは私自身が清められたい癒されたいのかもしれません。
近頃、私は彼らから離れました。
彼らの「金がないよ」コールはもう聞こえなくなりました。
改めて彼らとの関係を考え直し、今度はもう少し長い小説を書きたいです。
今年の盛夏に、また、涙と汗を、いっぱい流しながら。
タイトルについて。
「あとかくしの雪」という民話からヒントをいただいたタイトルでございます。こどものころから「ニッポン昔話」のこのアニメに衝撃を受け、あちこち探して大人になってからこのアニメ絵本をゲットしました。大根しか食べるものがない飢饉の村に住むおばあさんが迷った飢えた旅人を迎え入れ、庄屋さんの畑に盗みに入ることを決意……という哀しい、だけど美しいお話です。
私にはもうひとつ楽天日記というのがあり、そっちは私の小悪魔ヴァージョンです。よろしかったらそちらも合わせてお楽しみください。