あなたの席でした。
あなたの椅子を、用意していました。
あなたにそばにいてもらいたくて、
あなたの椅子を、ずっと、作っていました。
たいした材料ではありませんでした。
それでも、すこしずつ、すこしずつ、
形をつくって、たったひとりで、
わけもわからないまま、みようみまねで、
こっそり。
あなたのための椅子を、準備していました。
あなたといっしょに同じことを感じていたくて、
あなたの椅子を、ずっと、作ってきたのに。
できるだけ立派な椅子に座ってほしくて、
だから、いっぽずつ、いっぽずつ、
少しずつ自分にチカラをつけて努力して、
じっと。
この時を、待っていました。
この日を、目指してきたのに。
私はウソなんかついていない。
夢だけを語ってごまかしてなんかいない。
ほんとうに、約束したことを、実現させようと、
今日まで、自分でも信じられないくらい、
がんばって、きたのに。
あの椅子にも、この椅子にも、
あなたではない人が、座っています。
私だけが、知っている。
あの椅子は、あなたの席でした。
(小説に広げるためのつぶやきです)
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